5年間の紆余曲折。重圧から解き放たれ、いざ飛躍
「どんな相手でも大きい大会の初戦というのはすごく難しくなり得る。もしかしたら僕たちがボールを支配する状況になるかもしれないですけど、不用意な連続したミスから失点につながる。そうするとすごく試合展開が難しくなったりすることが考えられる。僕らがドイツを相手にW杯でやったような展開もあり得るので、まずは先制点を取りたい。そういう初歩的なところ、やるべきことをしっかりやることが一番大事になってくると思います」
現在、日本代表でトップ下を争っている久保、鎌田大地と比較すると、南野の強みはよりストライカーに近い役割を担える点ではないか。ゲームメークが得意な鎌田、フィニッシャーとお膳立て役の中間的存在の久保より前目でプレーしてこそ光る選手だと言える。
それは今季のモナコでも実証している。2シャドーの一角に陣取ったことで、南野がゴール前で脅威になっているシーンは数多く見られる。そういういい感触を代表にも持ち込めれば、今回のアジアカップで大活躍も夢ではないだろう。
5年間の紆余曲折を経て、間もなく29歳になる南野はようやく地に足を着けて代表のプレーに集中できるようになった。背番号10を手放し、心理的重圧から解放されたことも大きいだろう。自然体を取り戻した今回のアジアカップだからこそ、期待感が高まってくるのだ。
伊東純也も30歳を目前に大きく飛躍したが、南野も同じような軌跡を辿ることは十分可能だろう。今回のベトナム代表戦でその布石を打てれば理想的。ベトナム代表戦では新たな代表キャリアを歩み始めた南野拓実の一挙手一投足にフォーカスしつつ、日本代表の戦いぶりを注視すべきだ。いずれにしても、今回は初戦で足踏みすることだけは許されない。
(取材・文:元川悦子【カタール】)
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