3位:イラン代表
【写真:Getty Images】
監督:アミール・ガレノエイ
FIFAランキング:21位
戦力値平均:7.7(攻撃力8、守備力7、采配8)
イラン代表はカルロス・ケイロス監督が率いた2022年のカタールワールドカップでウェールズ代表に1勝するも、結果的にグループステージ敗退となった。同大会限りでポルトガル人指揮官はチームを去り、後任にはアミール・ガレノエイが就任した。
およそ12年ぶりの自国出身の監督のもとでも代表メンバーは大きく変わっておらず、基本的には継続路線となっている。実際にカタールワールドカップと今回のAFCアジアカップ2023のメンバーを比較してみても26人中19人が一緒だ。そのため新体制発足時からチームとしての完成度は高く、就任から11勝2分とワールドカップから唯一無敗でアジアカップを迎える。
そんなイラン代表の強みはタレントが揃うアジア屈指の攻撃陣で、戦力値は「8」とした。メフディ・タレミ(ポルト)、サルダル・アズムン(ローマ)、アリレザ・ジャハンバフシュ(フェイエノールト)はそれぞれポルトガル、ロシア、オランダの1部リーグで得点王を獲得した経験がある、彼ら3人とも今季は所属クラブであまりゴールを決めることができていないが、タレミとアズムンは代表で絶好調。前者は2023年の11試合で12得点3アシスト、後者は7試合で8得点4アシストと両者ともに出場した試合数より多いペースでゴールを量産している。
一方の「守備力」の戦力値はオフェンスより低い「7」としている。かつてのイラン代表は堅守が印象強く、前回大会も準決勝で日本代表に0-3で敗れこそしたが、それまでの5試合で無失点とディフェンスが強みのチームだった。現在も守護神アリレザ・ベイランバンド(ペルセポリス)を筆頭に当時と変わらないメンバーが名を連ねているが、格下にもあっさりと失点するケースが目立つ。しかし、複数失点は稀で、致命的な弱点とはなっていないが、現状は「守備力」が強みとは言えない。
「采配」を「8」としたガレノエイ監督の手腕は見事だ。タレントがいる攻撃陣を活かすサッカーができており、それがワールドカップ後からの13試合連続での無敗に繋がっている。前評判が高かった前回大会に続き、今大会も優勝候補の一角として期待してよいだろう。