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現地時間2024年1月12日にAFCアジアカップ2023がカタールで開幕する。出場する24ヶ国のうち、最も戦力が充実している代表チームはどこなのか。今回は戦力を3項目(攻撃、守備、采配)に分けて数値化し、ランキング形式で紹介する。
8位:オーストラリア代表
【写真:Getty Images】
監督:グラハム・アーノルド
FIFAランキング:25位
戦力値平均:6.7(攻撃力6、守備力7、采配6)
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2022年に行われたカタールワールドカップでベスト16入りを果たしたオーストラリア代表は、18年夏に監督に就任したグラハム・アーノルド監督が引き続き指揮を執っている。しかし、当時と比較をして上積みができているかどうかを問われれば、答えは「No」だろう。
特に影響が大きいのが中盤で、功労者たちが相次いで30代前半の若さで代表を離れた。一昨年のワールドカップも不動のレギュラーでプレーしていたアーロン・ムーイや元セルティックMFトム・ロギッチが相次いで現役を引退。その中でも“青天の霹靂”だったのが、昨年12月20日に発表されたマッシモ・ルオンゴ(イプスウィッチ・タウン)の代表引退だ。
母国開催のAFCアジアカップ2015で大会MVPを受賞していた同選手は、所属クラブでの好調ぶりから昨年10月に約4年半ぶりに代表復帰を果たして試合にも出場していた。しかし、プレミアリーグ昇格争い中のイプスウィッチに集中するため代表引退を決断。多くの中盤の選手が去った中でルオンゴには救世主的な役割が期待されていたが、そんな彼もオーストラリア代表から離れてしまった。
こうした背景もあって大幅な戦力ダウンは避けられない状況に。中でも攻撃力は「6」と、ハリー・キューウェルやティム・ケイヒルがいた時代と比較をすると圧倒的にタレントが不足している。今大会は怪我にも悩まされており、マシュー・レッキー(メルボルン・シティ)とアワー・メイビル(グラスホッパー)、ジェイミー・マクラーレン(メルボルン・シティ)らが離脱中。そのため前線はかなりの経験不足で、計9人の出場試合数を見てみると、WGとストライカーのうち5人が1桁、もしくは未出場の選手たちで構成されている。今大会で背番号10を着用するクシニ・イェンギ(ポーツマス)も2試合の経験しかない。
それでも「攻撃力」を「6」としたのは圧倒的なセットプレーの強さから。身長198cm、体重101kgのCBハリー・サウター(レスター)のフィジカルはアジアレベルでは反則級で、直近のワールドカップアジア二次予選でも2試合連続ゴールを記録。同選手はオーストラリア代表通算22試合で10ゴールと誰よりもハイペースで得点を重ねており、今大会のFWでは最も経験があるミッチェル・デューク(FC町田ゼルビア)と並ぶ得点源となっている。
「守備力」はセットプレーでも輝くサウターを中心に堅く、ワールドカップ後の9試合で8失点と、「7」の戦力値に相応しい堅守を誇る。しかし、不安材料なのがGKだ。オーストラリア代表通算85試合の出場を誇るマシュー・ライアン(AZ)が本来の正GKだが、同選手は所属クラブでのトレーニングで頬骨を骨折してから代表に合流。現在は練習でフルメニューをこなすほど回復をしているそうだが、アーノルド監督は初戦のインド戦の出場を「微妙」と発言している。代役が通算2試合と1試合出場のジョー・ガウチ(アデレード・ユナイテッド)とローレンス・トーマス(ウェスタン・シドニー)では心もとない。
相次ぐ引退と怪我人の影響で、ベストな陣容を揃えることができていないオーストラリア代表が勝ち上がるにはアーノルド監督の「采配」に懸けるしかない。カタールワールドカップでは堅守速攻のスタイルでチュニジア代表とデンマーク代表に1-0で勝利したが、ブロックを構えてくる格下との試合もあるアジアカップでこの戦いがどこまで通用するかは未知数だ。特にカウンターで生きるレッキーとメイビルの不在の影響は大きく、苦戦を強いられても不思議ではない。