本領を発揮する「点の取れる左サイド」
「1点入れば崩れるから早めに取れたらいいよねと律君と話しました。入る時は、とりあえずフランスでやっていることを出せばいいと。フランスの方が今日の相手より強度が高いと分かっていたので、その感覚でやればいいかなと思っていました」
10月のカナダ代表戦で左足首を痛めて以来の復帰戦。ケガを乗り越えた彼はトップ下に入った堂安、右の伊東らの動きを見ながらゴールを念頭に置いてプレーした。
迎えた51分、日本代表は待望の先制点を奪う。堂安が右の大外に展開。伊東純也に落としたところで、田中碧がペナルティーエリアに侵入。ラストパスを受けて右足を一閃。喉から手が出るほどほしかった1点を挙げたのである。
この瞬間、中村敬斗はファーの位置でフリーになっており、GKが弾いた場合はこぼれ球を詰められる状況になっていた。この嗅覚が彼の最大の持ち味。それを登場から間もない時間帯から感じさせていたのだ。
「点の取れる左サイド」はここから本領を発揮していく。53分には右の毎熊晟矢からのクロスに詰めてシュートを打ちに行き、61分にも同じような形から右足を合わせる。これは惜しくも右ポストを直撃したが、いつ点を取ってもおかしくないという雰囲気を漂わせた。
そして待望の瞬間が72に訪れる。中村敬とは左サイドで佐野とパス交換。佐野がエリア内左の深いところに侵入して折り返す、伊東純也と交代していた南野拓実が左足でシュート。これをGKが弾いてこぼれたところに背番号13が詰め、試合の行方を決定づける2点目を叩き出すことに成功した。
これで日本代表では5戦5発。本人は満面の笑みを見せながらゴールを次のように振り返っている。