手術を受けた板倉滉のコンディションは?
「最後の最後までそこを目指してやっていたし、日本に来る前も全体練習には合流していました。チームの判断というところもあって、試合には出ないまま帰国しましたけど、でも足の状態的にはすごくよくなっているし、これからが楽しみだと思っています。(タイ戦もアジアカップも)問題なくいけます」
ボルシアMG側からは、板倉の症状に関して「左足首の持続的な問題により、小さな手術が必要となった」とだけ説明されていた。板倉は詳細に言及しながら、笑顔で問題なしを強調している。
「動き回っていたネズミを除去しました。ネズミを駆除したので、もう大丈夫です」
遊離した軟骨や骨の欠片、いわゆるネズミが左足首の関節内を自由に動き回り、走っている最中だけでなく、切り返す動きのときにも痛みに悩まされていたと明かした板倉は、さらにこう続けた。
「いまは全然違いますね。今シーズンが始まってから、練習を含めてずっと痛みを持ちながらプレーしていました。コンディションというか、プレーのキレがなかなか上がってこないと自分のなかでも感じていたし、騙し騙しやっていた部分もあったので、さすがに手術をする決断に至りました。手術なしでは厳しい状況まで来ていたんですけど、(ネズミが)いなくなってやっとすっきりして、いまでは気持ちよくサッカーに集中してできている。(欠場が)想定よりもちょっと長くなっちゃいましたけど、そういった意味では本当にポジティブな手術だったかなと思っています」
板倉のキャリアを振り返れば、前回アジアカップから約5カ月後の2019年6月に初めてA代表に招集される。東京五輪世代を中心に編成された若手主体のチームで、ブラジルで開催されたコパ・アメリカで2試合に出場した板倉は、東京五輪をへて森保ジャパンの常連になった。
所属クラブもフローニンゲンからブンデスリーガ2部のシャルケをへて、昨シーズンからはボルシアMGへ完全移籍。試合出場を重ねるたびに潜在能力が解き放たれ、同時に森保ジャパンにおける序列もアップ。昨年のカタールW杯ではグループリーグの全3試合に先発出場し、ドイツ代表との初戦ではFW浅野拓磨へ絶妙のロングパスを開通させて決勝点をアシスト。歴史的な勝利に貢献している。
3月に船出した第2次森保ジャパンでは最終ラインの中心を託され、2戦目となった同28日のコロンビア代表戦ではゲームキャプテンも務めた。川崎時代とはまったく異なる形で憲剛氏と接し、会話をかわすことができると板倉は屈託のない笑顔を浮かべながら前を見すえる。