ゲーム・オブ・ザ・イヤー
柏レイソル 4-5 北海道コンサドーレ札幌(第14節)
2023年のJリーグは、例年通りこの項目で多くの受賞候補を輩出した。横浜FCが地元ライバルの横浜F・マリノスに4-1と驚異的な勝利を収めた第25節。開幕節で1-5の大敗を喫した湘南ベルマーレに対し、サガン鳥栖が6-0で大勝してリベンジを果たした第18節。または、ガンバ大阪が川崎フロンターレを4-3で破った第22節や、川崎フロンターレが逆転勝利を収めた第30節のアビスパ福岡戦(4-2)や第6節の北海道コンサドーレ札幌戦(4-3)もある。ただ、6月3日に行われた柏レイソル戦で、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督率いるエンターテイナーたちが収めた劇的な勝利こそが、この賞にふさわしい。
レイソルは開幕からこの試合までの15試合でわずか2勝しか挙げていなかったが、ネルシーニョの後任として井原正巳が監督に就任してからの2試合では、ヴィッセル神戸と1-1で引き分けるなど、改善の兆しを見せていた。しかし、日本代表のレジェンドである井原正巳が植え付けようとしていたゲームコントロールや落ち着きといったものは、この試合では役に立たなかった。
レイソルは10分に荒野拓馬のゴールで先制を許したが、15分に戸嶋祥郎のゴールで追いついた。駒井善成と小柏剛のゴールでコンサドーレに再びリードを許すが、ハーフタイムを挟んで生まれた小屋松知哉と細谷真大のゴールで、レイソルが3-3の同点とした。しかし、後半の20分過ぎに金子拓郎のゴールで再び失点。しかし91分、武藤雄樹がファーポスト際に滑り込み、ゴールネットを揺らした。
そして、そのわずか2分後、田中駿汰が札幌の勝ち越しゴールを決める。3分間のVARによるオフサイド・チェックはレイソルの苦しみを拡大させ、GK松本健太の背後に陣取る、札幌を訪れた多くの赤黒の観客の喜びを際立たせた。
2024年もこのような試合がたくさんあることを祈っている。よいお年を!
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