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痛恨の極み。三笘薫を取材するはずが…。ブライトンの歴史的瞬間。決して忘れられないスターの行動【現地取材コラム】

シリーズ:コラム text by 内藤秀明 photo by Getty Images

忘れられない得点直後の立ち振る舞い



 得点直後の立ち振る舞いも忘れられない。マルセイユのボールで再開した際、ララーナは誰よりも前のめりにプレスを敢行して、背中でチームを引き締める動きを見せた。その奮闘もあってか、ブライトンはその後マルセイユの攻撃をシャットアウトして、見事勝利をもぎ取った。

 スタッツサイト『Sofascore』によると、ララーナの採点は6.6点(10点満点)だったが、スタッツには反映されないベテランの凄みを感じた20分でもあった。

 さて本題に戻ろう。試合後のアメリカンエクスプレススタジアム(通称アメックス)は、見たことがないようなお祭り騒ぎだった。爆音で流れるアップテンポな曲調に合わせて多くのファンが手拍子をならし、タオルマフラーを振り回す。さすが音楽が盛んで、クラブ文化もある街だ。喜び方はブライトンらしい。

 ただ従来イングランドのファンは試合の後は勝っても負けても、もの凄いスピードでスタジアムから帰宅していく。スタジアムの導線が優れていることもあり驚くほどに早く、観客席からは人がいなくなる。仮にスタジアムに残ったとしても、コンコースでビールを飲みながら仲間と語り合うパターンが多い。特にアメックスのように新しいスタジアムの場合、試合後も滞在できるようにデザインされている。多くのファンはスタジアムの内側で歓談するのだ。

 しかしこの日は違った。5分たっても、10分たっても最高の勝利の余韻を楽しむべく、多くのファンがスタンドに残っている。それに呼応して選手たちもグラウンドを一周してファンの歓声に応えている。

 まるで既に何かしらのタイトルを獲得したかのような雰囲気に会場は包まれていた。

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