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【ガンバ大阪総括コラム前編】ポヤトス・スタイルは間違いだったのか? 「恥と地獄の連鎖」山あり谷ありの11ヶ月

シリーズ:フットボール批評オンライン text by 下薗昌記 photo by Getty Images

「魅力的なサッカーで勝利を追求する」



 昨年8月、片野坂知宏監督(当時)の事実上の更迭に伴い、急きょ指揮を執った松田浩前監督は圧巻の堅守をベースにJ1残留に導いたが、ガンバ大阪は長年続いていたリアクションスタイルからの脱却を目指してポヤトス監督に白羽の矢を立てた。

「攻守に主導権を握る魅力的なサッカーで勝利を追求する」。

 今年1月のキックオフイベントで和田昌裕取締役ゼネラルマネジャー(GM)は、クラブが目指す新たなスタイルをこう説明した。西野朗元監督が率いた当時の華麗な攻撃サッカーを「ガンバらしさ」の典型例として思い浮かべるサポーターは多いだろうが、遠藤保仁や二川孝広、山口智ら突出したタレントが支えていたスタイルはいわば「奇跡のサッカー」だった。

 サッカーのトレンドも変化し、かつては好タレントを輩出し続けた下部組織も弱体化――。これこそが将来的な一番の懸念材料と言えるのだが――。だからこそ、新時代のガンバ大阪のスタイル確立を託されたのがポヤトス監督だった。

 シーズンを終えて、残された数字は惨憺たるものであるのは事実だが、ポヤトス・ガンバが歩んできた道のりが、決して間違いとは言い切れないのも事実。山あり谷ありの11ヶ月には、指揮官が見せた可能性と、来季に向けての希望、そして課題が見え隠れしていた。

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