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Jリーグ 12か月前

【柏レイソルコラム】「自分のミスで…」細谷真大が背負う責任。同僚の“愛ある苦言”、勝つ集団に脱皮するためには?

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

柏レイソルが勝てるチームに脱皮するために



 この日の細谷は3人に囲まれてもしっかりとキープして起点を作ったり、背後への鋭い飛び出しを再三見せるなど、ストロングポイントも遺憾なく発揮していただけに、冷静に決め切る部分により注力すべきだ。真の点取り屋へと変貌を遂げていくことが、彼に突き付けられた重要テーマと言える。22歳のFWにはそれだけのポテンシャルがあるのだから、悔しい経験を先に生かすしかない。

 一方で、柏としては、細谷に頼りすぎない得点パターンを確立していく必要もある。椎橋と高嶺朋樹の両ボランチのプレスバック含めた堅守、マテウス・サヴィオのお膳立てと中盤までは非常に効果的な試合運びができているのに、その先の展開が乏しいという事実は否めない。細谷が複数DFにマークされる分、山田康太や小屋松知哉がフィニッシュにつなげるシーンがもっと作れてもよかったはず。他のアタッカーが前線で脅威になれれば、細谷が空くシーンも増えてくる。そういった方向に仕向けていくことが肝要だ。

 今季の柏は残留争いを強いられた分、「あまり前がかりになるとリスクが高まる」といった慎重なスタンスがコーチ陣にもあり、守備のオーガナイズを整えることに比重が行ったという。だからこそ、点を取れずに引き分ける試合が多かった。そこから脱皮し、勝ち切れる集団になるためにも、細谷自身の覚醒、彼を生かしたゴールパターンの確立が強く求められる。

 悔しい準優勝をどう糧にしていくのか。2024年の進化が大いに気になる。

(取材・文:元川悦子)

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