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サッカー日本代表には「4つの強みがある」。スペイン人指導者が「必要以上の高評価は危険」と警鐘を鳴らす理由とは

シリーズ:スペイン人指導者の視点 text by 川原宏樹 photo by Getty Images

サッカー日本代表が積み上げてきた「4つの強み」

サッカー日本代表FW上田綺世
【写真:Getty Images】



「先述したように今の日本代表はチーム内の競争力が高く保つことで、モチベーションを高めています。こういった状況におかれた選手たちは、高評価を得ようとハードルの高い大胆で難しいプレーを選択しがちです。状況によってはその選択でポジティブな結果を生み出すことも多々ありますが、今回の日本代表においてはそれでボールを奪われてしまったというのも1つの事実なのです。相手が変わればそういったミスもなくなるということも多々あり、この事実を森保監督がどう評価するのかはわかりません。ただ、相手が変われば致命的になる可能性も秘めているのです」

 2次予選やアジアカップのグループリーグでは大きく格差のある相手との対戦になるが、その後のレベルが上がるチームを相手にしたときには不安を感じてしまう。しかし、日本にはチームとして積み上げてきたものが多く、「4つの強み」を持っているとアレックスは断言。それ故に、アジアレベルであれば簡単には負けないと主張する。

「これまでに何を積み上げてきて戦いに挑むのかということが、チームとしては大事になります。以前は日本の強みといえば、選手個々のスピードやアジリティでした。それはウイングやサイドバックのポジションで今も日本の武器となっています。今はそれと合わせて4つの強みがあると思います。

 1つはポジショニングの精度で、各々の選手の精度が試合を重ねるごとに上がっています。次に、FWの強さが挙げられます。上田綺世にしても他の選手にしても、1対1に強くなりロングボールを蹴っても収めてくれるようになりました。最後に試合を読む力です。未然に相手の攻撃を防ぐ先を読む力が備わってきました。得点を取る力もあれば、失点につながるカウンターを防ぐ力も積み上げてきています。だから、前回と同じようにはやられないだけの力があると思います」

 このように、これまでに積み上げてきた力がアジアレベルで勝つ力になっているという。

 全体的に高評価を与えアジアレベルでは簡単には負けないと論じたアレックスだが、「対戦相手はあくまでもミャンマーやシリアであって、国際的に見て強豪国ではないということを忘れてはいけない」と警告する。「今回の結果は素晴らしいものではあったが、ワールドカップ本大会でベスト8以上を目指す日本に対して必要以上の高評価は危険」と戒めた。

(取材・文:川原宏樹)

【了】

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