森保一監督がつくりあげた原理
「日本代表選手の背景を考慮するとモチベーションを上げにくく、ひとえに簡単なゲームとは言い難い状況でしたが、実際のゲームではどの選手もモチベーションを高く保って試合に臨めていたように見えました」
各々が高いモチベーションで臨めた大きな要因の1つには、森保一監督がつくりあげた状況が関係しているとアレックスは分析する。
「現在の日本代表はチーム内に競争の原理が働いています。レギュラー争いにおいて、どのポジションにおいても絶対的な存在は1人としていないでしょう。そういった現状から各々の選手には競争意識が芽生え、しっかりとしたパフォーマンスを見せなければならないというマインドになっているように思います。このようにチーム内の競争力を高くすることで、日本代表の選手たちが高いモチベーションを保てるような環境を森保監督はつくり出しています」
モチベーションのベクトルをチーム内に向けるという采配で、日本は格下相手にもいいパフォーマンスを見せられたと評価していた。
高いモチベーションによっていずれの試合も5得点を挙げて快勝した日本代表だが、大量得点を奪った攻撃面よりも守備面のほうが光ったとアレックスはいう。
「すべてのプレースピードが速くなっている日本ですが、特にボールを奪われたあとの切り替え、ネガティブトランジションの素早さが目立っていました。ボールロストと同時にすべての選手が切り替えられており、正しいアクションを行えていました」
加えて、センターバックやボランチがしっかりと危機管理を行えていたと称賛した。