相手から見た湘南ベルマーレの脅威
横浜FCの四方田修平監督は「ある程度準備してきたが、湘南の前への圧力は想像以上に強い」、川崎フロンターレの鬼木達監督も「向こう(湘南)のプレッシャーに逃げるところがあった」と対戦後に話していた。湘南のミドルゾーンからの強烈なプレスと奪ってからのショートカウンターの精度は高かった。1-1で引き分けた川崎戦後、ゴールを決めた平岡は「本当にキャンプからやっていることが出せている」と手応えを感じていた。
味方を活かす能力にも優れる町野と深さと時間を作れる大橋が小野瀬の前方にいる。そして、平岡や畑大雅、石原広教といった機動力のある選手たちが飛び出していくショートカウンターが猛威を振るった。第2節は勝利こそ逃したが2得点。かつて「湘南の暴れん坊」と呼ばれた過去を彷彿とさせる魅力を手に入れた。
横浜FCとの第2節、川崎フロンターレとの第3節はともに引き分けたが、ともに主導権を握っていた時間が長いゲームだった。川崎戦後に山口監督は「立ち上がりから選手たちがやることを理解し、自分たちのストロングを理解して相手の良さを消しに行くところ、自分たちから奪いに行くところを前面に出してくれた」と成熟度の高さを実感している。
華々しいスタートとは対照的に、湘南は町野修斗の4得点により4-1で勝利したガンバ大阪戦を最後に、長く深く暗いトンネルに入ることになる。勝利を掴むことができるまで、4か月という長い月日を湘南は過ごす。果たしてこのとき、チームに何が起きていたのだろうか。
【第2回に続く】
(取材・文:加藤健一)
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