トランジションで見せた冨安健洋の持ち味
25分の場面では、レアンドロ・トロサールのシュートがブロックされて、そのこぼれ球がウルブスFWマテウス・クーニャに渡ったが、背後から冨安が身体を寄せたことで前を向かせず、サカと2人掛かりでボールを奪い切った。
こうしたトランジションの部分での前からの積極的な守備はカウンターを食らわないだけでなく、二次攻撃、三次攻撃へと繋がる。ポゼッションと即時奪還の両方が強みであるアーセナルらしいアルテタ監督のサッカーを成立させるために欠かせないプレーだった。
冨安の守備での貢献度の高さはスタッツにもハッキリと表れている。データサイト『Sofa Score』によると、チーム最多の5つのタックルを成功させた。加えてドリブルで抜かれた回数も0と、ウルブスの攻撃をほぼシャットアウトしていたと言っても過言ではない。
対して、79分に冨安に代わって投入されたベン・ホワイトは、残りの時間で2回ドリブル突破を許した。86分にウルブスが1点を返し、その後攻撃のギアを入れたことを踏まえても、守備面での安定感に差があった。アルテタ監督が直近の試合で冨安を重宝している理由がよくわかる結果となっている。