清水エスパルスの変化と悔やまれる決断
「前半を見てもらえれば分かる通り、問題なくいい入りができていたし、相手にびびってるとか、そういうところは全くなかった。『勝ちにいかないといけない』と吹っ切れてる感はもちろんありました」
秋葉監督も「点を取って来い」と選手たちを鼓舞。よりギアを上げさせた。後半開始後、すぐに点が取れないと見るや、15分にはカルリーニョス・ジュニオと北爪健吾をスイッチ。布陣を4-3-2-1から3-4-3へ移行し、乾と中山を2シャドーにして攻め込もうとした。
試合の最初の節目が訪れたのはこの直後。北爪の浮き球のパスに中山が反応。エリア内でマークに行った東京Vのキャプテン・森田晃樹がハンドを犯し、清水にPKが与えられた。これは東京Vにとってはやや厳しい判定ではあったが、ジャッジは覆らない。清水としては願ってもない好機。これをチアゴ・サンタナが決め、待望の1点を手に入れた。
そうなると東京Vの城福浩監督は当然のごとく巻き返しに打って出る。清水の方は受けに回り、2点目を取りに行く気迫が薄れたように見受けられた。秋葉監督の交代も消極的で、前半から数々のチャンスを作っていた山原怜音と中山、さらには乾も10分以上残った時点で下げた。これは通常通りの采配だったのかもしれないが、終盤に何度もドラマが起きているプレーオフでは攻撃のキーマンを最後まで残しておくべきだったのではないか。そのあたりは悔やまれるところだ。
そして案の定、後半ロスタイムに悲劇が起きる。