サッカー日本代表を経験した小島亨介の変化
「代表の後に彼と話したところでは、世界のトップで活躍する選手たちの、何て言うんですかね、スタンダードの高さというものを感じられたと。われわれも口では言っていますが、スタンダードを実際に見た彼を中心に自分たちがこの先、どこへ向かって前進していくのか。行動などを通じて、最後尾から見た景色をどのようにチームへ還元してくれるか、といったところは非常に楽しみにしています」
森保ジャパンを介して見えた、世界のスタンダードとは何なのか。小島にも聞いてみた。
「A代表のみんなは、連続した動きの強度が本当に高い。その意味ではマリノス戦も、両チームとも本当に強度の高いプレーができたので、この強度を基準にこれからもやっていきたいと思いました」
東京五輪世代の小島は、旧知の選手も多い。特に守備面で強度の高さを実感したとこう続ける。
「守備面での強度の高さもそうですし、ラインアップもこまめで、常に前線から追って後ろもそれについてくる。かなりコンパクトだと感じたし、90分を通せばなかなか難しいところではありますけど、基準を高く持ってそれらをやり続けられれば、ピンチも減ると実際に感じられた。そういった取り組みへの意識もみんな高いし、それらを僕はチームにしっかりと還元していきたい」
球際の攻防における単発的な強度の高さだけではない。それらを継続して実践できる体力とメンタル力、組織力も強度の対象になる。10月シリーズをはさんで3勝5分けと8試合負けなしを継続している新潟は、直近の3試合ではすべてクリーンシートを達成。小島の代表土産が早くも脈打っている。
小島のJ1通算出場試合数と、今シーズンの出場試合数は「29」で一致している。つまり、26歳で迎えた今シーズンにJ1デビューを果たし、昇格組の新潟のゴールマウスに君臨してきた。
「J1の戦いも強度が高い、というのがまずひとつあるし、あとは間違いなくシュートが枠内に飛んでくる回数が多い。自分としては準備の質というところを常に意識してきましたし、そこがよければ自分としてもいい対応ができているシーンも多かった。そこは大きな収穫だったと思っています」