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Jリーグ 12か月前

小島亨介はワインのように熟成される。守護神の変化とアルビレックス新潟への還元【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

次々とピンチを防いだ小島亨介



 16歳だった2013シーズンは名古屋グランパスU-18に所属。ベンチ入りや出場機会こそ訪れなかったものの、夏場以降はトップチームに2種登録されていた小島は、新潟とマリノスを巡る歴史を問われると「あの……うっすらとは聞いていました」とマリノス戦後に言葉を紡いだ。

「僕たちはそういった歴史というよりは、本当に目の前の1試合1試合に向けて準備してきました。今日もそういったところは意識せずに試合に入りましたし、同じような結果になれば周りの方が盛り上がるのかなとは思いますけど、僕としては常に目の前の1試合1試合に意識を向けています」

 前半だけで3度も新潟のピンチを救い、マリノスのゴールを防いだ。

 まずは12分。ロングフィードに抜け出した右ウイングのヤン・マテウスが、一気にペナルティーエリア内に侵入してくる。しかし、利き足とは逆の右足で放たれたファーへのシュートコースを見極めて、最後は横っ飛びで反応した小島が懸命に伸ばした右手でコーナーキックに逃れた。

 アディショナルタイムの48分には、マテウスのクロスにアンデルソン・ロペスが頭を合わせるも、ゴール左隅を狙われた一撃をまたも空砲に変えた。マテウスがカットインから左足を振り抜いた49分の一撃も、ダイブした小島の右手の先をわずかにかすめて、またもやコーナーキックに逃れた。

 圧巻はエンドが変わった51分。右サイドからマテウスが放ったクロスを味方がクリアし切れず、ファーへ流れた先に左ウイングのエウベルがフリーでいた。狙い済ましたヘディングシュートに、必死に体勢を立て直した小島が反応。両手で弾き返した守護神は、そのままゴールのなかへ倒れ込んでいる。

 マリノスが誇る強力ブラジル人トリオ、中央のロペスと左右のエウベル、マテウスが放ったシュートは実に12本。それでも小島は「結果としてはポジティブですけど」と冷静に振り返る。

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