ハンジ・フリック(ドイツ)
【写真:Getty Images】
生年月日:1965年2月24日
前職:ドイツ代表監督
クラブと代表チームの両方で結果を残すことは想像以上に難しいものがあるのだろう。ドイツ人のハンジ・フリックはその壁にぶち当たった。
2019年にバイエルン・ミュンヘンのアシスタントコーチに就任したフリックは、成績不振により解任されたニコ・コバチの後を継ぐ形で、同シーズン中にトップチームの監督になった。当初は暫定監督という立場だったが、その後見事にチームを立て直したことで正式な指揮官となり、勢いのままにブンデスリーガ8連覇やUEFAチャンピオンズリーグ(CL)制覇を成し遂げている。2年目も指揮を執ることになり、最終的に7つものタイトルをクラブにもたらした。
当時のバイエルンはまさに最強だった。ロベルト・レバンドフスキ、トーマス・ミュラー、ヨシュア・キミッヒら各ポジションの実力者に走ることを徹底させ、90分間において攻守のインテンシティーを高いレベルで保ち続けた。CLではバルセロナに8-2という歴史的な大勝を収めるなど、彼らの迫力はどのチームであっても止めることが難しかった。
しかし、バイエルン最強監督とも称されたフリックの評価は、ドイツ代表監督の座に就いて崩れた。FIFAワールドカップカタール2022で日本代表に敗れるなどグループリーグ敗退に終わると、9月の親善試合で日本代表に1-4という歴史的大敗を喫し、フリックは解任を余儀なくされている。