山口蛍が振り返る今季「一番きつかった」時期
「衝突したからといって、もちろんそのサポーターが嫌いというわけではない。ただ、今シーズンは優勝しましたけど、ここまでの過程で僕たちは決して強いチームではなかったと思っている。そのなかで天皇杯を取って、リーグ戦では3位に入ったなかでお互いに勘違いがあり、そういったものを見つめ直さなければいけなかったなかで、今シーズンはそれを求め合ってきた。そのなかで厳しい言葉をもらったし、僕たちの方から厳しい言葉をかけることもあった。そういう関係が本当のチームだと思うし、苦しい時期でもサポーターの声が僕たちのもとへ届いて、それがパワーに変わったこともあった。そういった点を含めて、本当にいい関係であり続けたと思っています」
サポーターとの間で紡がれた絆が、本当の意味で強くなったシーズンだったと振り返った山口は、一方で怪我人が続出した事態にも言及している。鉄人を誇る酒井の欠場はすでに5試合を数え、新しい戦い方の象徴でもあったMF齊藤未月は8月に、全治約1年の大怪我を左膝に負って戦線離脱した。
「今シーズンで一番きつかったのは、夏場に未月が怪我をしたときで、その後の数試合は結果も出なかったし、あらためて未月がチームを助けてくれていた、というのも実感した。それでも大崩れもせず、引きずることもなく持ち直せたのは、今シーズンのチームの強さだと思っている」
齊藤を欠いた夏場以降の厳しい戦いを、山口は万感の思いを込めながらこう振り返った。その過程で生まれた合言葉が、左腕のキャプテンマークにはしっかりと記されていた。「未月とともに」と。