タイトルがない鹿島アントラーズは「ギリギリのところでちょっとずつ差が出てくる」
「際の部分というのは、タイトルがかかっているかどうかも影響してくると思う。僕らは天皇杯やACL(AFCチャンピオンズリーグ)を意識しながら戦っていますけど、相手は何もかかっていない。そうなるとギリギリのところでちょっとずつ差が出てくるもの。今日の90分間を見ていても、そう感じました」
昨年のFIFAワールドカップに日本代表として出場した山根は神妙な面持ちでこうコメントしたが、鹿島はそういった差をピッチ上で感じさせてはいけないクラブであるはずだ。代表で遠藤や守田らと共闘した佐野は高い意識を率先して示していくべき。今回の0-3の敗戦、川崎戦16戦未勝利という悔しい結果をレベルアップの糧にしなれば意味がない。本人もそう強く感じているはずだ。
「今日は全ての面で相手の方が上だった。試合の流れだったり、『ここは負けちゃダメだ』っていう時、流れを渡したくない時の球際やセカンドボールはもっと考えないといけない。流れを読む力が大事だと思います。
ホントに今の自分自身は改善の余地しかない。1年間、いろんな課題に取り組んできましたけど、最後の最後にこういう試合をしてしまっている現状は納得いくものではない。サポーターのみなさんには申し訳ないですし、残り1試合で勝ちを届けたいと思います」
毅然と前を向いた佐野。中盤の要である彼がしっかりとゲームコントロールしていかなければ、未勝利のまま2023シーズンが終わることにもなりかねない。
とにかく彼には鹿島唯一の代表選手としての意地とプライドを示し、チーム浮上の原動力になってほしいものである。
(取材・文:元川悦子)
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