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プレミアリーグ 12か月前

トッテナムを変えたポステコグルー流マネジメント。マリノス時代から変わらぬ手法【コラム前編】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

トッテナムの嬉しい誤算


【写真:Getty Images】


 退団したケインに代わって背番号10を背負うMFマディソンは“王様”の如くチームの中心に存在している。すでにチームメイトからの信頼は厚く、彼がボールを持った瞬間に周りの選手が走り出す攻撃のパターンが確立。パスの出し手としてだけでなく、自らスペースにボールを呼び込んでフィニシュに持ち込むなど、受け手としても高い精度を発揮している。

 嬉しい誤算だったのが、コンテ政権時に獲得したDFデスティニー・ウドジェとDFペドロ・ポロの両SBだ。彼らは共に前所属では3バックのWBとしてプレーしており、トッテナムでも同様の役割が求められて加入をしていた。

 WB時代は大外のアップダウンが求められていた彼らだが、ポステコグルーのチームではビルドアップ時に偽SBとして内側に絞るプレーと、ファイナルサードではアウトサイドからWGを追い越して攻撃参加をするタスクが与えられている。両者はともにこの役割を完璧に理解をしており、すでに2アシストずつを記録するなど攻撃面で強いアクセントとなっている。

 また前政権ではほとんど戦力となり切れていなかったMFイヴ・ビスマとMFパペ・マタル・サールもタブルボランチのレギュラーに定着した。

 ファン・デ・フェンやマディソンらポステコグルーのチームにフィットするとされて獲得した「新戦力」と、ポテンシャルを活かしきれていなかった「現有戦力」が上手く嚙みあったことで、どのクラブにも劣ることのないイレブンを作り上げた。

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