チャレンジ精神を強く持ったプレー
こんな思いを巡らせていた鈴木のもとに、ビッグチャンスが訪れたのは66分。右タッチライン際の高い位置にポジションを取っていたサイドバックの半田陸が、バイタルエリアでフリーだった鈴木を見逃さずに横パスを入れる。そして、相手の寄せが遅いなかで鈴木が利き足とは逆の左足を振り抜いた。
ペナルティーエリアの外側から放たれた、低く速い一撃が狙い通りにゴール右下を射抜く。勢いを取り戻した日本は75分に再び鈴木が、81分にはMF松村優太が立て続けにゴール。ともに大岩剛監督がチームの生命線として掲げてきた、前線での激しい守備からのショートカウンターが起点になった。
さらに88分には藤田も続いた。自陣の深い位置でボールを受け、振り向きざまに前線へのロングフィードを選択。右手を使った一瞬のゼスチャーでボールを要求し、すでに最終ラインラインの背後へスプリントを開始していたU-22代表初招集の19歳、FW福田師王のゴールをアシストした。
「(福田)師王とはそんなに話していないけど、そのなかで本当にいい動き出しをしてくれた。点差もあったので、自分としてもチャレンジ精神を少し強く持ったプレーをうまく出せたと思います」
鈴木に代わり、直前の86分に投入されていた福田のゴールを導いたロングフィードをこう振り返った藤田は、さまざまなパターンでアルゼンチンからもぎ取った5ゴールに言葉を弾ませた。