スタジアムで感じた三笘薫の意外な仕草
さてお目当ての三笘は後半頭からの出場で、ヨーロッパリーグとの連戦でやや疲れ気味に見えた。
それでも淡々と、しかし燦々と取れそうで取れないボールタッチで、相手を翻弄した。ブライトンは音楽文化も盛んでナイトクラブも多いことで有名な街だが、夜遊びはせず、真面目にフットボールに取り組んでいるのだろう。だからこそコンスタントに活躍できて、クラブの生きる伝説となれているのだろう。実際、スタジアム外のレジェンド選手の写真が並ぶエリアでは、基本的に退団した選手たちが並ぶ中、三笘もその中に名を連ねていた。試合中、当たり前のように、三笘がボールを持つと期待の声が上がる。既にスターなのだ。
ただ一方でやや意外な気づきもあった。スタジアムで三笘を見た印象としては、いい意味でやや抜いてプレーしているように感じられたのだ。理想論で言うと常に100%で戦うべきだが、連戦が続く今の状況では、怪我せずにコンスタントに活躍することの方がプライオリティは高い。それを理解してか、チャンスやピンチにならなさそうな攻守の切り替えでは、体力温存のためにジョグで流すシーンが何度かあった。あるいはそうせざるを得ないほど、疲労が溜まっているのかもしれない。
それでも幾度もチャンスを演出しているのだから、さすがと言わざるを得ない。試合に勝てなかったのは残念だろうが、彼個人のパフォーマンスで言うと、十分合格のプレーだったように思える。現地記者の先輩によると、本人は悔しさを感じている様子だったらしいが。
いずれにしてもブライトンへの探訪は気づきの多い楽しい時間となった。
今後も代表戦、プレミアリーグ、ヨーロッパリーグでの激しい連戦が続く。今後も怪我せず、コンスタントな活躍を続けてほしいものだ。
(文:内藤秀明【ブライトン/イングランド】)
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