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日本代表 1年前

鈴木唯人が苦い経験を乗り越えて変貌。サッカーU-22日本代表10番が清水で見せた進化【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

「イメージが共有できている」

ブレンビーでプレーする鈴木唯人
【写真:Getty Images】



 さらに9分後には松村のペナルティエリア左での強引な突破からのクロスに、半田が飛び込んでヘッド。ここに鈴木が詰めて逆転に成功する。長距離移動を強いられたアルゼンチンがペースダウンしてきた時間帯の連続ゴールは非常に大きな価値があったと言っていい。

「(半田とは)今までも何回も一緒にプレーしてますし、お互いのやりたいことがよくイメージが共有できてるのかなと思います」と鈴木唯人は感謝したが、日本平で凱旋ゴールを決められたことに安堵感も覚えたようだ。

「エスパルス所属だったのが自分しかいなかったんで、注目されすぎて正直、ちょっと嫌だった(苦笑)。でも結果的に2点を決められて、少しでも成長した姿を見せられたのはよかった。自分たちの活動もずっと海外でやっていたので、少なからず期待感を持ってもらえたのかなと思います」と彼は嬉しそうに話していた。

 エースの2発に触発された日本は松村、福田師王も追加点を挙げ、終わってみれば5-2の勝利。大岩監督は「ビルドアップのところでボールを失ったり、細かいミスもあった」と課題を口にしたが、ホームで強豪・アルゼンチンに勝ち切った事実は自信にしていい。その原動力となった鈴木唯人も手ごたえをつかんだことだろう。

 ストラスブール時代は試合勘の不足が懸念されていた彼だが、新天地ではここまでリーグ9試合(うち先発2試合)出場1ゴールと徐々に出番を増やしている。この調子で定位置を確保し、フル稼働できるようになれば、もっともっと進化していくはずだ。

 パリ五輪を経て、2026年北中米ワールドカップ(W杯)の時点では、同ポジションの南野拓実や鎌田大地と堂々と勝負できるような選手になっているのが理想的。高みを目指して貪欲に突き進んでほしいものである。

(取材・文:元川悦子)

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