鈴木唯人が感じる世界基準「上のレベルの選手はみんなできている」
「『体の線が細い』『フィジカル的に弱い』とかいろんな評価があったとは思いますけど、僕は日本人なんで、それは仕方のないこと。『だからダメなんだ』と言っていても、何も始まらない。大事なのはそのマイナスイメージを覆せるか覆せないか。どんな環境に行っても自分のプレーができればいいんです」
鈴木唯人は一時的に今夏、清水に復帰した際、自らに言い聞かせるようにこう語っていた。2度目の欧州挑戦ではそのスタンダードを引き上げる努力を重ねているに違いない。
「向こうに行って、そこ(球際やボールを奪いに行くアグレッシブさ)は日常になっている。基本的に上のレベルの選手はみんなできている」とも発言していたが、彼はこの3カ月で明らかな変貌を遂げていた。そこを大岩監督も前向きに受け止めたはずだ。
1-1で折り返した後半は、より一層、彼の成長と凄みが出る格好となった。前半終了間際に佐藤がケガで下がって松村優太が入り、後半あたりに松木に代わって山本理仁が入った。少し連動性が低下し、いきなり直接FKで失点したものの、鈴木唯人はそこで奮起。「自分のワンプレーで流れを取り戻せたらいい」と虎視眈々とチャンスを伺っていたという。
それが結実したのが、後半21分の2点目。半田のスルーパスに反応し、プレッシャーの少ない中央で受けた彼はドリブルを入れて余裕を持って左足を振り抜き、貴重な同点弾を決めた。