U-22日本代表に漂う嫌なムード「しっくり来てなかった」
今夏まで在籍した清水エスパルスの本拠地・IAIスタジアム日本平に凱旋したエースナンバー10の鈴木もまずは守備でチームに貢献した。とりわけ、印象的だったのが18分のカルロス・アルカラスへのプレスバック。激しい体の寄せに相手も嫌がり、2人はにらみ合い。一触即発のムードも漂ったほどだ。
このプレーの後、アルゼンチンが得たFKを鈴木唯人が即時奪回。後ろにいた松木につながり、インサイドをタテに走っていた佐藤恵允にスルーパスが出た。これを受けた背番号18はドリブルで持ち込み、右足を一閃。待望の先制点を挙げる。9~10月のアジア競技大会でインパクトを残した男の一撃で幸先のいい先制点が転がり込んだ。
だが、日本はこの4分後にミスから失点。鈴木唯人も嫌なムードを感じ取った。
「自分自身、そんなにしっくり来ていなかった。アルゼンチンの個人個人を見た時には自分たちが劣ってる部分が多かった」とストラスブール、ブロンビーと欧州2クラブでプレー経験のある男は厳しい目線を向けていた。
彼が指摘した通り、前半の日本はところどころでミスもあり、完全に流れをつかみ切れなかった。そういう時こそ「球際のバトルに負けない」というサッカーの基本原則に立ち返る必要がある。それを誰よりもよく理解している鈴木唯人は闘争心を強く押し出し、力強くチームを鼓舞し続けた。
そういったアクションを起こせたのも、昨季半年間プレーしながら3試合出場にとどまったストラスブールでの苦い経験があったからだろう。