メダルを確実に狙う、あるいは金メダルを狙うなら…
後半に入って50分、ティアゴ・アルマダのFKでアルゼンチンが逆転。その後はアルゼンチンがペースを握る。相手の攻め込みとハイプレスの循環を断ってリズムを引き戻す術のないまま時間が経過していったが、66分に鈴木唯人の左足ミドルで追いついた。
敵陣でボールを奪ってから右サイドへ展開。半田陸がルックアップすると、ディフェンスライン手前のぽっかり空いたスペースに鈴木がいる。半田の横パスをフリーで受けた鈴木は余裕を持ってニアサイドへ低いシュートを入れた。相手の守備組織が緩かったおかげではあるが、チャンスをぴしゃりと決めた鈴木のフィニッシュが正確だった。
この得点で日本が息を吹き返す一方で、アルゼンチンは運動量と集中力が落ちていき、75分には鈴木が再び得点して3-2。右からのパスを反転しながらコントロールして左サイドへ流して起点を作ったのも鈴木だった。180度のターンをしながら正確な認知力を発揮できる特徴が活きていた。左サイドを突破した松村優太のクロスを半田がファーサイドから冷静に折り返し、そこへタイミングよく飛び込んだ鈴木は合わせるだけ。
81分には松村が絶妙のミドルシュートを決めて4-2、88分に藤田譲瑠チマのロングパスで抜け出した福田師王がゲット。
終わってみれば5-2とスコアのうえでは圧勝だったが、3点は最後の15分間に集中していて、そこまでの展開はほぼ互角だった。アルゼンチンと五分の力を示せたのは心強いがメダルを確実に狙う、あるいは金メダルを狙うなら、さらに上の段階にチーム力を引き上げる必要がある。
(文:西部謙司)
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