三笘薫 最新ニュース
今季もブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンでセンセーショナルな活躍を見せているサッカー日本代表FW三笘薫。そのパフォーマンスに虜になっているのは日本人だけではない。ブライトンの街を訪れると、その影響力の大きさを肌で感じることができる。(文:内藤秀明【ブライトン/イングランド】)
お世辞か、本音か
インターネットとSNSが発達し、どんな情報でも簡単に手に入る時代になってきた。しかしファンや選手の熱量など現地でしか感じられないものもあるはず。本稿は、1か月間、欧州に滞在している間、サッカーライターの内藤秀明が、現地で見聞きして感じたフットボールの文化や、日本人選手の存在感を紀行文の形式でお送りする短期連載だ。
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渡欧3日目、ブライトン対シェフィールド・ユナイテッドの一戦を見るために、ロンドンから電車で1時間、海辺の街ブライトンに移動した。試合は翌日で、急ぎの用事もない。お昼過ぎの小腹がすくタイミングで、チュロスのキッチンカーを見つけたので立ち寄ることにした。
会計を終え待機列に並んでいる間、あたりを見回すとチュロス屋の屋根に、甘い匂いに誘われてか、かもめが止まっている。そこら中から「クゥークゥー」という鳴き声も聞こえる。さすがフットボールクラブの愛称が「シーガルズ(かもめたち)」の街だ。白い鳥が日常的に目に入る。自分が受け取る番がきて、頼んだ商品名を伝えると、50代程度の男性の店員に「韓国人か?」と聞かれた。
(なるほど。イギリスの小便器前に立つと少し背伸びをしなければならないほどに、スタイリッシュな僕だからか)
自虐的に心当たりを探しながらも、何も見当たらず「日本人だよ、明日のブライトンの試合で三笘薫を見るためにこの街に来たんだ」と正直に答えた。
するとその男性の店員は表情を変えず「日本人か」と頷いた後に「Mitoma is best player in Premier League at the moment.(現時点で三笘はプレミアリーグで最も優れた選手だね)」とお世辞なんだか、本音なんだかわからない表情のまま、同胞のドリブラーを褒め称えてくれた。