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日本代表 1年前

佐野海舟が45分で感じた意欲。町田で育ち、病気を経て鹿島で掴んだサッカー日本代表【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by NN

佐野海舟の心に生まれた変化

ミャンマー代表戦でサッカー日本代表デビューを果たした佐野海舟
【写真:NN】



「このことを公表するかはとても迷いましたが、公表しようと思った理由は、たくさんの人たちのおかげで、自分は戻ってくることができたからです。そして、そのたくさんの人たちへの感謝の気持ちを伝えたいと思うと同時に、自分と同じ状況の人たちの力になりたいと思ったからです。(中略)同じ状況を経験したことがある方々とたくさんお話をさせて頂き、色んな素晴らしい活動があるという事も知りました。同じ経験をしていた人たちに救って頂いたように、今度は自分がサッカーや様々な活動を通して、元気や勇気を与えられるように頑張りたいと思っています」

 J1への初挑戦となった鹿島でも、2月の開幕戦から中盤で「回収力」を発揮し、ワールドカップ代表経験者の岩政大樹監督から「今年中に日本代表入りを狙え」と背中を押され続けた。代表入りどころか及第点のデビューを果たしたミャンマー戦後には、あらためて感謝の言葉を口にしている。

「この1年ですごく成長できたと自分でも思っているし、こうして代表の舞台に立ってスタートを切れたのも、間違いなく町田や鹿島でのプレーであるとか、自分の周りの方々のおかげです。そうしたことに常に感謝しながら、これからもプレーしていくことを心がけていきたい」

 年代別の日本代表に無縁で、日の丸を背負って共闘した選手もいないからか。コミュニケーションを取るのが、あまり得意なタイプではないと佐野は苦笑する。ミャンマー戦で67分から途中出場し、佐野と同じ時間を共有した守田も「彼はあまりしゃべらないですけど……」とこう続ける。

「職人っぽく、黙ってプレーするタイプじゃないですかね。今日は非常によかったと思います」

 それでも3日間の練習と、後半の45分だけプレーしたミャンマー戦をへて、佐野の心には大きな変化が生じている。まずは当然のように、森保ジャパンに生き残っていきたい思いがより膨らんできた。

「そういう気持ちが高まりましたし、こうして国を背負って戦えるのは本当にすごいことだとあらためて思いました。責任やプレッシャーはありますけど、そのなかでもっと、もっとやっていきたい」

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