先輩が絶賛する上田綺世のストロングポイント「自分が見てきた中で一番うまいFWだ」
【写真:Getty Images】
それでも開始早々の4分に谷口の縦パスを堂安がヒールで流し、鎌田がペナルティエリア(PA)内に力強く侵入するなど、相手の背後やギャップを突こうというアクションを積極的に行い、攻略の糸口を探り続けた。
「相手に引かれてボールを持てる分、あまりリスクを冒さずに仕掛けないでボールをずっと握っちゃって、気が付けば45分経ってるみたいな展開が一番ストレスが溜まる」と堂安も前日にコメントしていたが、その悪循環を打破するには、早い時間帯の先制点が是が非でも必要だった。
それを奪ったのが、エースFW候補筆頭の上田。11分、PA左外の位置から南野が浮き球のパスを送った瞬間、背番号9は背後に流れながらヘディングでボールを流し込み、ついにゴールをこじ開けた。
「スペースがない中でも背後の動きでわずかなスペースを作る。自分が受けるのもそうだけど、それを継続的にやる意識を持っていた。真ん中でいい形でボールをもらえましたし、(南野の)ボールがよかった」と彼はチームを楽にさせた一撃を振り返った。
上田のヘディングの滞空時間の長さや高さというのは、11月7日のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)・ラツィオ戦終了間際の決定機を見ても分かる通り、世界トップクラスと言っても過言ではない。
鹿島アントラーズのレジェンド・柳沢敦も「スピード感やパワフルさ、ボールを受けてすぐにゴールに向かえる体の向きという点で、綺世は本当に頭抜けている。(小笠原)満男も『自分が見てきた中で一番ヘディングのうまいFWだ』と絶賛していました」と語ったほどで、ミャンマー相手には十分すぎる迫力があった。