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久保建英 1年前

ストレスが溜まる? なぜ久保建英にボールがこなかったのか。失点関与の責任は【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

ボールが来ない…。原因は?



 右ウィングに入った久保は、1本もシュートを打てず、ドリブル成功数も1回に留まるなど、アルメリアDF陣にとって怖い存在とは言い難かった。しかしこれは、相手にうまく封じられたというよりも、そもそも持ち味を発揮する機会に恵まれなかったと総括した方がいいだろう。

 事実、久保のタッチ数は19回で、45分以上プレーした選手としてはワーストタイの数字となっている。62分に下がったオヤルサバル、さらには前半のみで下がったサディクも同じ19回となったが、後半ATが10分あったため、プレー時間を考慮すれば実質的に久保は2番目に少ないということになる。

 なぜここまでボールに触れられなかったのか。その理由は、90分間に渡り、左サイドを起点とした攻めがほとんどだったからだ。

 ただ、前半と後半では意味合いが異なる。前半、右WGで先発したオヤルサバルは大外に張るだけでなく、内側にポジションをとってCFのサディクと2トップ気味になることがあった。そのため、左サイドで幅をとり仕掛けられるバレネチェアが攻撃の起点となるのは、ある意味で必然。事実、前半のバレネチェアのタッチ数はソシエダ内で最多となる42回を数えている。

 後半は、サイドこそ違えど久保がバレネチェアの役割を果たすと予想していた。事実、久保は幅をとってボールが回ってくるのを待ち構えていた。

 それでも久保を起点にした攻撃はあまりなかった。その理由は、メリーノの存在が大きい。後半、ソシエダの中盤は左インサイドハーフにメリーノ、右インサイドハーフにベニャト・トゥリエンテス、アンカーにスビメンディという構成だった。ボールスキルに関してはトゥリエンテスよりもメリーノに分があるのは明らかで、やはりスペイン代表レフティーの元には多くのボールが集まっている。事実、メリーノのタッチ数は後半における最多の41回を数えている。そこから右サイドに展開するのはアルメリアの守備強度を考えても難しく、メリーノ周辺でのボール回しが増えることになった。

 右IHにブライス・メンデスがいればアマリ・トラオレ、久保とのトライアングルがより機能していたはずだが、この日B・メンデスは不在。トゥリエンテスはまだビルドアップの貢献度が低く、彼ら2人をうまく生かすことはできない。80分以上プレーしながらタッチ数が24回となっていることからも、それは明らかだ。

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