遠藤航のファウルへの意識
遠藤は前回のトゥールーズ戦で5つのタックルを成功させている。一方で前にボールを奪いにいきながらも剥がされるというシーンもちらほらと見受けられた(スタッツはデータサイト『Sofa Score』を参照)。
日本代表MFがリバプールで起用されているアンカーのポジションの選手は、ギャンブル的に前へ相手選手を潰しに行ったのであれば、ファウル覚悟でもボールを奪い切らなければいけない。というのも、仮にボールが奪えないとなると、逆に自らが空けたスペースを使われて前進されてしまうからだ。
その中で注意をしなければいけないのが、ファウルはファウルでもイエローカードとならない“ソフトなファウル”だ。サッカーはルール上、(位置にもよるが)何度ファウルを犯しても問題がない。一方で、カードが伴うファウルに関しては限度がある。特に守備的な選手であるアンカーが警告を受けてしまうとなると、大事な局面で退場を恐れて寄せが甘くなってしまうリスクが生じる。
遠藤は前回のトゥールーズ戦でファウルが0回だったのに対し、ドリブルで抜かれた回数の指標である「Dribbled past」は3回を記録していた。これは5つのタックルを成功させた一方で、3回は相手にドリブルで抜かれたことを意味する。
今回のトゥールーズ戦は、この反省を持って臨んだのか、ファウル覚悟でも相手選手を潰す意識が高くみられた。しかし、これが裏目に出てしまう。