再認識するウーデゴールがいる意味
攻撃が上手くいかなかった試合を振り返って、その存在の重要性を再認識させられたのがデクラン・ライスとマルティン・ウーデゴールだ。
前者は“試合に出場して”その重要性が際立った。ライスはこの試合で1人気を吐いており、豊富な運動量で攻守にわたって限りなくパーフェクトに近い活躍を見せていた。後方からドリブルで一気にボールを持ち運んで中央突破を図ると、相手選手を引き付けて味方選手へパス。ゴールにはつながらなかったものの、ライスが起点となって生まれたチャンスは数えきれないほどだ。守備では誰よりも走っており、素早い寄せで相手のチャンスの芽を幾度となく潰していた。同選手がいなければ、ニューカッスルの攻撃陣をもっと楽にさせてしまっただろう。
そして後者は“試合を欠場して”その存在がどれほど重要なのかを痛感させられた。前節シェフィールド・ユナイテッド戦を欠場し、先日のEFLカップのウエストハム戦で試合終盤に出場したウーデゴールは、この試合ベンチ外。英メディア『football.london』によれば、「股関節の問題ではあるが深刻なものではない」そうだ。
やはりウーデゴールがピッチ上に居るか、居ないかはアーセナルの攻撃の質を大きく左右する。視野が広いため、自分がいるべき場所を心得ているだけでなく、縦へ通すパスや斜めに通すパスの成功率も高い。重心の低い相手に対して、サイドの選手やセンターフォワードの選手とのコンビネーションでペナルティエリア内に侵入したり、繊細なタッチで単騎で相手選手に囲まれた状況を打破するシーンを見せてくれたかもしれない。精度の高いミドルシュートで試合展開をリセットすることもできただろう。彼がもたらす創造性があれば、この試合の結果は異なったものになっていたはずだ。
クラブ史上最高額の男と、不動のキャプテンがチームに与える影響力は計り知れない。2人が改めてガナーズ(アーセナルの愛称)に不可欠な存在であることを痛感させられた一戦だった。
(文:竹内快)
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