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久保建英 1年前

最悪のデジャブ。久保建英は落胆? バルセロナ戦、ジェンガの如く崩壊した理由【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

レアル・ソシエダが突いたバルセロナの弱点



 先述の通り、ソシエダは後半途中までバルセロナを苦しめることに成功していた。

 バルセロナは守備時にフェルミン・ロペスとロベルト・レバンドフスキを前に出した4-4-2でセット。ただ構えるだけでなく、インサイドハーフのブライス・メンデスに対しCBのイニゴ・マルティネスを当てるなど、かなり強気な姿勢をとっていた。しかし連動性はなく、隙はかなりあった。

 とくに、これによって生まれる大きな弱点はライン間の大きなスペースと相手の3トップに対する最終ラインの数的不利だ。ソシエダはそれをうまく利用し、何度もゴールを脅かしている。

 肝になったのはCFミケル・オヤルサバルのオフ・ザ・ボールだ。エースの気の利いた動きによってライン間をうまく支配したことにより、チーム全体として前向きな攻撃を繰り出せる機会が多かった。

 16分にはGKレミロからのロングボールをガビとの競り合いを制したミケル・メリーノが収めると、そのサポートに入っていたオヤルサバルにパス。この時点でバルセロナの最終ラインは3枚で、ソシエダはメリーノ+3トップの4枚で攻めることができていた。そして最後は、アンデル・バレネチェアからのクロスを久保建英がシュート。大きな決定機を作り出した。

 25分には右SBアマリ・トラオレから背後を突いたオヤルサバルへ一気にパス。これをエースが収めたことで後ろの選手が前向きの状態でプレーすることができ、最後はバレネチェアのクロスから際どいチャンスが生まれている。CBの一角に入ったジュール・クンデ1人でオヤルサバルの臨機応変な動きに対応するのは難しいと証明された瞬間でもあった。

 もちろん、ソシエダが素晴らしかったのは攻撃面だけではない。守備面もしっかりと整理されていた。左SBアレハンドロ・バルデを前に出した3バックの状態でビルドアップするバルセロナに対し、ソシエダはそのまま3トップを当てるオールコートマンツーマンで対応。ここでもかなり頑張っていたのがオヤルサバルで、CB→CBへの2次プレス、プレスバックとマンツーマンでありながら2人分の働きをすることで、随所において数的優位を生み出している。

 先述の通り、シャビ監督は選手を入れ替えるだけで、とくに戦術面を大きくイジることはなかった。これも相まって、ソシエダは終盤までバルセロナを内容面で圧倒することができたと言える。

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