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Jリーグ 1年前

一瞬緩んだ柏レイソルの生命線。なぜ1人少ない川崎フロンターレに追いつかれたのか【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

柏レイソルが講じた「ゴミス対策」



 序盤から積極的に仕掛けた柏だが、逆にマルシーニョと登里亨平の陣取る川崎の左サイドから次々と攻め込まれた。右サイドバック(SB)に本職ではない土屋巧がいることで、それを狙われたのだろうか。シンプルなクロスをゴミス目がけて蹴り込まれ、ヒヤリとする場面が何度かあった。

「ゴミスは強さがあるんで、くっつきすぎないことが大事。無理して取りに行ったら相手の得意な体が密着する形になってしまう。そこの駆け引きが重要だったし、いい形で入らせない、競らせないことを意識しました」と8月に浦和からレンタルで加入した守備陣のリーダー・犬飼は言う。

 
 そこで彼と古賀は意思疎通を密にし、ラインコントロールを確実に遂行、ゴミスにスペースを与えないように努めた。CB陣の連係向上は犬飼加入から3カ月が経過した柏の確かな前進と言えるだろう。

 相手エースにボールが入った場面もあったが、その時は2~3枚がかりで寄せ、フリーにさせない。その最たるものが20分のシーン。ゴミスがハーフウェーライン付近で体を張ってキープした際、古賀が確実についていき、椎橋慧也と山田康太で挟むというタイトな守備を披露したのだ。

「最初はどんなもんか分からなかったんで探り探りでしたけど、動き方とかタイミングを見ながら、彼が背後を狙うところを読むとか、そのへんは掴みつつやれたのかなと。世界にはああいう選手がゴロゴロいるんだと感じました」と古賀は神妙な面持ちで語っていた。

 組織的守備が奏功し、柏は川崎をゼロで抑えつつ、迫力ある攻めを繰り出した。そして前半40分、鋭いカウンターから山田雄士が右足を一閃。いい時間帯に1点をリードすることに成功する。実際、最近の彼らは先制した試合は負けていない。内容的にも勝てそうな雰囲気が大いに漂った。

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