またか…。レアル・ソシエダの課題は未だ変わらず
しかし、主力選手との差を感じさせたのはトゥリエンテスだけではない。出場時間が長かった分、彼の弱点がより目立ったが、ウマル・サディク、モハメド=アリ・ショー、アルセン・ザハリャンもラージョ戦の失態を反省すべきだろう。
久保やオヤルサバルら主力を下げた後に失点するパターンはもはやお馴染み。開幕節ジローナ戦、同第2節セルタ戦、CL第1節のインテル戦、そして今回のラージョ戦。今季だけで、すでに4回も逃げ切りに失敗している。偶然で片付けることはできないだろう。
アルグアシル監督が具体的にどういう指示を出しているかは気になるところだが、とにかくサディク、アリ・ショーら、とくに途中出場した攻撃的選手の貢献度があまりに低すぎる。独善的なプレスをかけ、前線でタメを作ることもできず、試合を決定づけるような仕事を果たせるわけでもない。アリ・ショーとサディクはとくに我が強い印象で、それがチームの悪循環につながるケースが目立っている。
前線で時間を作れないとどうなるか。相手にとってソシエダはサンドバッグ状態になる。それなのに叩かれ続けて耐え切れるだけの堅守は持っていないため、失点を招いてしまう。ラウタロ・マルティネスに劇的ゴールを献上したCLのインテル戦は典型的な例と言っていい。
徹底して守備を固めるわけでもなく、追加点を狙いにいくにしてもあまりに機能していない。主力がベンチに退いた後のソシエダは攻守において“中途半端”と評するしかない。もちろん起用に応えられない選手に一番の問題があるが、アルグアシル監督ももう少し明確なメッセージを伝えるべきだろう。今後も過密日程が続くため、主力をフル稼働させるわけにはいかない。しかし今の状態では、これまでと同じく掴みかけた勝ち点3を逃すだけだ。
次のリーグ戦がバルセロナ相手ということを考えても、ラージョ戦では確実に勝ち点3を奪っておくべきだった。ここで勝ち点2を逃したのは、想像以上にダメージが大きいだろう。
(文:小澤祐作)