4つの大勝負。カギを握るフレッシュな男
ルヴァン杯の決勝は鹿島戦から1週間空くが、ここまでの連戦の影響があるだけに、鹿島戦で新たな怪我やコンディションの問題も起こりうる。ここまで目立った怪我なく浦和の中盤を支えてきた岩尾も、アジア王者として参戦する12月のFIFAクラブワールドカップが終わるまで、チームがフレッシュになることはないと認める。ACLに出場したり、カップ戦に勝てば勝つほど、リーグ戦が肉体的にも精神的にもキツくなっていくのは今に始まった事ではないが、今シーズンの浦和に関してはあまりにもタフな戦いを強いられすぎている感は否めない。
そうは言っても、今はここから先に待つ4つの大勝負に1つひとつ、全力で挑んでいくしかないだろう。そこでキーになってくるのは、怪我から戻ってきた大久保や明本といったある意味でフレッシュになった選手たちだ。大久保も「ここから総力戦になりますし、僕や明本選手のフレッシュさが、もう1個ギアを上げる。それが仕事かなと思います」と語る。
さらに夏に加入してきたMF中島翔哉やタイ代表MFのエカニット・パンヤ、今年プロ契約を結んだ17歳の早川隼平、前半戦はほとんど出番がなかったところからアピールを続け、出場機会を増やしている“カルロス”こと髙橋利樹など、フルシーズン戦い詰めになっていない選手たちの奮起が不可欠になる。
タイトルがかかるルヴァン決勝、そしてホーム敗戦の借りを返す浦項戦も大事だが、まずはリーグ戦で逆転優勝に望みをつなぐために、因縁のライバルである鹿島にどう挑むか注目したい。
(取材・文:河治良幸)
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