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獲得を後悔? プレミアリーグ、今夏の補強ワーストイレブン。期待外れとなっている新戦力たち

シリーズ:補強ワーストイレブン text by 編集部 photo by Getty Images

FW


【写真:Getty Images】


FW:ニコラス・ジャクソン(セネガル代表)
生年月日:2001年6月20日
所属クラブ:チェルシー
移籍金:3700万ユーロ(約51.8億円)
今季リーグ戦成績:8試合2得点0アシスト

 ニコラス・ジャクソンに関しては、本人のパフォーマンスよりも、フロントが他のストライカーを補強しなかったことに責任がある。22歳のほとんど実績のないFWにチェルシーのレギュラーストライカーを任せられると判断したこと自体が誤りだ。

 昨季終盤にビジャレアルで得点を量産したことで大注目を集めたセネガル代表FWは、今夏にチェルシーへと3700万ユーロ(約51.8億円)の移籍金で引き抜かれた。プレシーズンマッチは絶好調でゴールを量産したが、プレミアリーグが開幕すると沈黙。ルートンとバーンリーの2つの昇格組相手に決めた1ゴ-ルずつに留まっている。

 その一方でプレミアリーグ公式のビッグチャンスを逃した回数を示す「Big Chances Missed」では3位の7回を記録。ジャクソン以上にミスを逃した選手はアーリング・ハーランドとオリー・ワトキンスの2名だが、彼らはすでに10ゴール以上に関与するなどチームを牽引する存在だ。ジャクソンはゴールに関わらない中でミスが多く、プレミアリーグで4番目に少ない9失点のチームが序盤戦から勝ち点を取りこぼしたのは彼の決定力不足にある。直近のアーセナル戦ではコール・パーマーを最前線に置くゼロトップがハマっており、開幕直後と比較をすると出場機会は減りそうだ。


【写真:Getty Images】

FW:ラウール・ヒメネス(メキシコ代表)
生年月日:1991年5月5日
所属クラブ:フラム
移籍金:630万ユーロ(約8.8億円)
今季リーグ戦成績:8試合0得点0アシスト

 フラム通算206試合で111ゴールを決めた大エース、アレクサンダル・ミトロビッチが退団した穴を埋めることは難しい。しかし、ラウール・ヒメネスにその重荷を任せることだけは違っただろう。

 このメキシコ代表FWはプレミアリーグ通算40ゴールを決めた実績がある。しかし、その大半は2020年11月にダビド・ルイスと衝突して頭蓋骨骨折の大怪我を負った以前であり、プレミアリーグでは2022年の3月以降ゴールがない。

 今季の第9節終了時点で、プレミアリーグでの連続ノーゴール記録は31試合であり、明らかに衰えが見える彼に得点量産は期待できない。フラムはヒメネス以外にFWの補強をしておらず、他のストライカーはカルロス・ヴィニシウスとロドリゴ・ムニョスという経験不足が否めない2人しかいない。その結果、チームは9試合終了時点で8ゴールと得点力不足に悩まされており、ヒメネスの獲得は失敗だったと位置付けていいだろう。


【写真:Getty Images】

FW:ルイス・シニステラ(コロンビア代表)
生年月日:1999年6月17日
所属クラブ:ボーンマス
移籍金:ローン移籍
今季リーグ戦成績:3試合0得点0アシスト

 デッドラインデーに成立した最悪の“パニックバイ”だった。開幕3試合を未勝利で終えたことで焦ったボーンマスは、生え抜きのジェイドン・アンソニーを放出する代わりにリーズからルイス・シニステラを獲得。実質的なローン移籍でのトレードを移籍市場最終日の終了間際でまとめた。

 しかし、このコロンビア代表FWの必要性は現在のボーンマスのスカッドではあまり感じられない。シニステラ以外にもジャスティン・クライファート、ダンゴ・ワッタラの2人のWGが在籍しており、彼らは利き足が左で同じような特徴を持っている。レベル的にも大きな差はなく、結果的に似たような選手が3人も集まることになってしまった。

 加えて苦手なプレーも一緒で、縦突破はできるがそこからの選択肢が少なく、彼らのプレーが得点に結びついていない。その結果、この3選手はいずれも0得点0アシストと全く得点に絡めておらず、その中でも緊急補強のシニステラは最少の出場時間に留まっている。この移籍は、移籍市場閉幕間際にリーズに迷惑をかけて関係が悪化しただけの無意味なものとなってしまった。

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