無駄にはならなかったFC東京での経験
「めちゃくちゃ悔しかったですね。やっぱり危機感もありましたし。甲府戦の前まで11試合出ていましたけど、残りの試合に出ていると出ていないのでは、目標を達成したとしても、ちょっとちがうと思うんですよね。自分としては最後まで大事だと思っているつもりでやってきた中で替わったのですごく危機感がありましたし、そこから秋田戦までの1週間をまた目の色変えてやりました」
「本当にこのチームは甘えとか隙を許さない。試合に出ている人にもひとつのプレー次第で次はわからない(替えられる)というような緊張感がある」と、鈴木。J1昇格を決めた週の練習でも、他力で決めるような恰好悪いことはしたくないという趣旨の言葉が黒田監督から飛んでいた。
戦術云々ではなく、勝つというひとつの目標に対してまとまり、フェアにしのぎを削る気風があり、それに対してベストを尽くすことで、鈴木はさらなる成長を遂げている。自信に満ち溢れ、表情は快活だ。同時に、J1に対する想いも強くなってきている。
「J1がすごかったんだなということをあらためて感じています。首位の町田で頑張らせてもらってることには自信を持っているし、ありがたいことではあるけど、やっぱりJ1は本当にすごいリーグなんだ、カテゴリーなんだといま感じているし、それが自分が『このままでいい』と思わず練習できているひとつの要因でもあるというか。ここで活躍して、町田で、J1で活躍したいという想いがあるからここに来た。J2優勝、J1に昇格して役目を果たしましたではなく、もう1回あそこにチャレンジするんだと思って来ているから、危機感は強いです」
東京で試合に出られなかった長い時期に練習をしていたことが無駄ではなかったことが証明できているが、J1で活躍し、東京と対戦することでさらなる証明をしたいという。