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Jリーグ 1年前

なぜ一発逆転できたのか。町田ゼルビアで輝く鈴木準弥、「本当に辛かった」FC東京での苦悩と教訓

シリーズ:コラム text by 後藤勝 photo by Getty Images

このくらい朝飯前。鈴木準弥が秘めるポテンシャル


 実際、町田に移籍して以降の鈴木は持てるすべてをピッチの上で発揮している。月間ベストゴールに選ばれた直接フリーキックに度肝を抜かれた人々も多いかもしれないが、本来は驚くことではない。彼の技術が人目に触れていれば、キックがすごいということが日本全国で周知の事実となっていたはずだ。しかしそのすごみを長崎戦以前に知っていたのは、ごく一部のファンだけだろう。もともとこのくらい朝飯前の選手なんだよと言いたくなる、そんなポテンシャルを彼は有していた。

「やっぱりあの舞台で決めるということが大きい。仰っていただいたように練習試合でフロンターレを相手に決めたこともありましたし、練習でも決めていたので得意なことではあったんですけど、距離とかいろいろなシチュエーションを含めてすごく派手に見えているから、すごく評価していただけた。実際に自分としても満足のいくフリーキックではありましたけど」

 もしも鈴木準弥を知らないサッカーファンに彼がどのようなプレーヤーであるかを説明するなら、デイヴィッド・ベッカムのようなクロッサーなんだよ、という言い方になるだろうか。しかし鈴木は確かにベッカム的な部分を含みつつも、もっと多種多様で幅広さを持つ“砲台”型のプレーヤーに映る。町田に移籍後、彼が相手陣奥へと放つフィードは確実にチームの武器になっている。

 それでも「コーナーキックやフリーキックを多く蹴らせてもらっていますけど、もう少し流れの中のクロスも、まあ一回(ミッチェル)デュークに合わせたことはありましたけど、もう少し合わせていきたい」というほど充実していて、欲は尽きない。

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