冨安健洋の課題と伸びしろ
90分間を通して“潤滑油“のような役割を担い、攻守に最適なポジションを取り続けた冨安だったが、ハッキリとした課題もみられた。
それはファイナルサードでのパスの精度である。先週末のチェルシー戦ではパス成功率100%を記録したが、この試合では先発出場したフィールドプレイヤーではワーストの69%(27/39)に留まった。
ライスが低い位置でボールを受け、逆に冨安が高い位置でプレーをした13分のシーンでは、ボールを受けてから反転するまではよかったが、左足でジェズスの背後を狙ったパスは相手の右SBヘスス・ナバスにあっさりとカットされてしまった。
この場面に代表されるように、冨安のパスが通れば一気にチャンスへと繋がりそうな場面でのミスがいくつかあった。
しかし、これらは悲観するべきものではないだろう。この69%というパス成功率は狭い場所を通そうとしたチャレンジの結果だ。パス成功率が90%だったRCランス戦は無難なパスが多かったが、この試合ではチャンスを作ろうという意欲がハッキリとみられた。
左SBのライバルであるジンチェンコは、上記の冨安が通せないパスを通せる選手だ。このチャンスクリエイト能力が身につけば序列が逆転する可能性が高い。冨安は試合を重ねるごとに成長がみられているため、完全なスタメン奪取の日も近そうだ。
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