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Jリーグ 1年前

「Jリーグとは違う」浦和レッズが痛感した韓国勢との差。遅れた対応と露呈した脆さ【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

浦和レッズが見せた脆さ


 22分の浦項の先制点はまさに象徴的だった。相手GKを起点としたビルドアップから左サイドバック(SB)パク・スンウクが抜け出して敵陣に運ぶ。左サイドに流れてパスを受けたキム・スンデはゴール前にクロスを蹴ると、右サイドからチョン・ジェヒがゴール前に走りこむ。マリウス・ホイブラーテンはゴール前の大型FWゼカに引きつけられていて動けず、大畑歩夢の対応も遅れた。

「『あれで入っちゃうんだ』っていう感じ。ああいうクロスを上げさせちゃいけなかった」と右SBで先発した荻原拓也は苦渋の表情を浮かべたが、プレスを簡単に剥がされ、大畑などリーグ戦にコンスタントに出ていない面々が後手を踏んだのが大きかったと言わざるを得ないだろう。

 それは中盤にしてもそうだ。この日は柴戸海と伊藤敦樹がボランチを組んだが、思うような連動ができず、柴戸がボールを奪われたり、相手の攻守の切り替えの速さを止めきれないといった脆さを露呈した。

「球際だったり局面の部分で負けてしまうことが多かった。相手が勢いに乗りながら来るシーンが多くて、そのスピード感はJリーグとは違うところがあった。僕らボランチのところがうまくいかなかったのは確か」と柴戸は悔しさをにじませた。

 岩尾憲という統率力に秀でたボランチがいないと、攻守両面でどうしても難しくなりがちだ。実際、ベンチで見ていた岩尾は課題をこのように感じている。

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