久保建英は幻の2点目も演出
しかし、マジョルカの選手個人による守備のミスがあったとはいえ、これを見逃さなかった久保はさすがと言わざるを得ない。中に切り込む際に顔が上がっており、ボックス内の状況を把握できている。蹴ったボールがたまたまB・メンデスに渡ったのではなく、B・メンデスを目掛けたボールを蹴っていた。
さらに久保はこの直後、右足でミケル・オヤルサバルに決定的なパスを出し、“幻の2点目”の起点にもなっている。日本→スペインの長距離移動があり、日本代表活動の中では左足もも裏の張りを訴えているなど体はかなりキツかったはずだが、それでも違いを生み出すのはスーパーだ。
久保らの投入により明らかに流れが変わったソシエダは、そのまま1-0で勝利。好セーブを連発したGKレミロでも、決勝ゴールを挙げたB・メンデスでもなく、マン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に選ばれたのは久保だった。まさに救世主といったところだ。
ソシエダは中2日でUEFAチャンピオンズリーグ(CL)のベンフィカ戦を控えている。一応マジョルカ戦で休みを得た久保は、おそらくここでスタメンに返り咲くだろう。
(文:小澤祐作)