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三笘薫を輝かせたファティ。マンチェスター・シティを困らせたブライトンの変化とは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

マンチェスター・シティを翻弄したアンス・ファティ


 65分、ブライトンのロベルト・デ・ゼルビ監督はジョアン・ペドロとカルロス・バレバを下げて、アンス・ファティとビリー・ギルモアを投入する。ハーフタイムにはドクに翻弄されていたジェームズ・ミルナーを下げてジョエル・フェルトマンを投入していた。徐々に疲労の色が見えてきたドクの裏を狙いながら、中盤にギルモアを入れることで展開力を上げようとした。

 何より大きかったのは、ファティのスペースを生む動き出しだった。

 たとえば、69分のシーンではルイス・ダンクのフィードをセンターサークル付近で収めると、裏に抜け出した三笘へパスを通している。シュートは前に出たGKにブロックされたが、1点ものの決定機だった。

 このシーンに限らず、ファティはオフ・ザ・ボールでかなり頻繁にポジションを変えることで、マッチアップしていたロドリを走らせている。先述したシーンではロドリがファティを一瞬離してしまったことから決定機が生まれている。

 後半は中盤のグロスを左CBダンクの脇に下げることで左SBソリー・マーチを高い位置に上げ、三笘が内に絞る場面が多かった。ここにファティが入ることで、マーチと三笘、ファティが高い位置で絡むことが可能となった。

 インサイドで起点ができると、サイドのスペースも空いてくる。マーチがひきつけることで、三笘がボールを受けるシーンもこの時間帯から各段に増えている。72分のシーンのように三笘のパスからマーチが長い距離を運んでチャンスになった場面も、ファティがボールをもらいに下がったことでストーンズを食いつかせ、結果的にマーチがドリブルするスペースが生まれていた。

 そういった意味でも、三笘のドリブルからゴールが生まれたのは必然と言えるだろう。

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