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Jリーグ 1年前

無冠の鹿島アントラーズ再建は「地道な作業」。柴崎岳が吐露、鈴木優磨が痛感した現実【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

志半ばの常勝軍団再建。その要因は?

鹿島アントラーズMF柴崎岳
【写真:Getty Images】



「もう完全に力負け。神戸の方が逞しかったし、強かったし、上回られた。自陣の最後の3分の1に入らせないことが前半の目的だったが、それができなかったのが大きな問題だったと感じている」

 後半突入時に鹿島は3枚替えを実施。自分でアクションを起こせる仲間隼斗や松村優太が流れを変え、明らかに攻撃チャンスが増えた。だが、神戸の勢いは衰えず、左CKから酒井高徳のミドルシュートがオフサイド判定された62分の場面、途中出場のジェアン・パトリッキのシュートが左ポストを直撃した34分の決定機など、3点目が入りそうな雰囲気も色濃く漂った。

 それが結実したのが、38分。扇原貴宏の右CKをパトリッキがヘッド。ポストに当たった跳ね返りを佐々木が仕留め、完全に試合を決める形になった。

 鹿島はその後、松村の強引なシュートで1点を返したものの、タイムアップの笛。この時点で7シーズン連続無冠が決まった。岩政監督が「神戸の強さに対して恐れなのか、自分たちのやりたいことがうまくできなかった。優勝がなくなってしまったことに責任を感じていますし、サポーターのみなさんに申し訳ないと思っています」と反省の弁を口にした通り、常勝軍団再建を掲げた今季の鹿島は早々と終戦を余儀なくされてしまった。

 その要因はいくつかある。今季はタイトル獲得経験のある昌子源、植田直通を呼び戻し、さらにはシーズン途中から柴崎岳も復帰させた。2022年に戻ってきた鈴木優磨を含め、ベテランを中心に鹿島のDNAを取り戻しつつ、若手を伸ばしながら、戦い方の幅を広げていくというプランだったはずだが、思惑通りにいかなかったのが1つのポイントだろう。

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