鈴木彩艶が反省したポイントとは
「相手選手の位置取りというところでは、パンチングするのではなく、キャッチングにトライできたシーンだったといまは思っています。自分の周りは意外とそこまで混雑していなかったので」
前方で最終ラインを形成していたのは、右から菅原、板倉滉、冨安、中山雄太と全員がともにプレーした経験のある東京五輪世代だった。森保監督が先発を明言した前日の時点で「コミュニケーションが取れる意味でやりやすい」と彩艶は歓迎していたが、実際には想像のはるか上をいっていた。
「試合中に本当にボールが来る感じがなかったし、非常に安心感がありました」
特に冨安と板倉が組むセンターバックの鉄壁ぶりに、後方で戦況を注視していた彩艶は何度も見惚れたと振り返る。72分に谷口との交代でベンチへ下がっていた板倉は、彩艶がバックパスを空振りした場面に「びっくりしました」と苦笑しながら、零封勝利を手にした結果がすべてと語った。
「びっくりはしましたけど、ああいうことを含めて試合のなかではピンチだけでなく、アクシデントもあると思いますけど、そういったなかでも失点0を、周りとコミュニケーション取りながら、全員でカバーし合いながら達成できたところは非常によかったんじゃないかなと思います」
先発した最終ラインの全員が、東京五輪前からヨーロッパへ新天地を求め、弱肉強食の世界で得た経験や知見をA代表に還元している。次は自分の番とばかりに彩艶は前を見すえた。