「自信を持ってプレーできる」鈴木彩艶らしさが出たプレーとは?
「もちろん出場試合数も少ないですし、結果という部分でもまだまだ出せてない現状には満足していません。それでも今回代表に呼ばれたことは、ファーストステップとしてしっかりと受け止めたい」
シントトロイデンのゴールマウスを守った6戦で1勝3分け2敗、11失点という結果に、彩艶ももちろん納得していない。それでも、自分のなかで描かれる右肩上がりの軌跡は感じている。
「E-1のときは自チーム(浦和)で試合に出られていなかったので、いまは試合勘という部分で非常にレベルアップできたし、代表でも自信を持ってプレーできると思っています」
特に緊張はしなかったと振り返ったチュニジア戦。MF伊東純也のファウルで、自陣の右サイドで直接フリーキックを与えた55分の場面で彩艶の“らしさ”がいかんなく発揮された。
キッカーのDFアリ・エルアブディは左利きで、日本ゴールから遠ざかっていく軌道のボールを蹴ってくる。日本は久保建英をボールに近い位置に立たせ、残る9人がペナルティーエリアのライン上に勢ぞろいした。対するチュニジアの選手は6人と、かなりの“混雑”状態が生じていた。
ゴール前に大きなスペースを生じさせたのは、果敢に飛び出す彩艶の特長を最大限に生かすためだったのだろう。期待に応えるように、背番号「23」は迷わずに前へ飛び出し、豪快なパンチングを披露。ボールを敵味方が誰もいない左サイドへ弾き返して、相手ボールのスローインに逃れた。
スタンドをどよめかせた豪快なプレーにも、実は彩艶は反省点のひとつにあげている。