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次は厳しい? サッカー日本代表、アピールに失敗した3人。10月シリーズで影を潜めたのは?

text by 編集部 photo by Shinya Tanaka

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【写真:田中伸弥】



久保建英や冨安健洋が期待通りの働きを見せた一方で…

 サッカー日本代表は10月シリーズでカナダ代表に4-1で大勝し、チュニジア代表には2-0で完勝を収めた。これで6月のエルサルバドル代表戦(6-0)から怒涛の6連勝、6試合で24得点5失点という成績になり、悔しいベスト16敗退に終わったFIFAワールドカップカタール2022後の日本サッカーの進化を改めて証明する形となった。



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 三笘薫や鎌田大地が不在となった今シリーズだったが、海外クラブで好調を維持する久保建英や冨安健洋、伊東純也らは期待通りの活躍を披露した。また、南野拓実と中山雄太という2人の代表復帰組もまずまずの存在感を残しており、森保ジャパンの選手層はさらに厚みを増したと言える。

 一方で、ピッチに立ちながらもアピール失敗に終わった選手たちもいた。

 1人目がシント=トロイデンに所属する橋岡大樹だ。カナダ代表戦、チュニジア代表戦ともに途中出場を果たしたが、とくに前者では残念なパフォーマンスに終わった。

 同じ右サイドバックを主戦場とする菅原由勢、毎熊晟矢と違い、橋岡はフィジカルを活かした守備に自信を持つ選手だ。そのため、同選手は4-0で迎えた83分にクローザーとしてピッチに送り出されたが、89分に毎熊とうまく連係できず、自身の受け持つ右サイドを崩されて得点を許した。この失点シーンに関してはGK大迫敬介の判断ミスも原因に挙げられるが、クロスを上げた相手に明らかに付いていけていなかったのは印象が悪い。

 チュニジア代表戦では無失点のノルマこそ達成したが、強固な守備を築いたとは言い難い。菅原と毎熊はしっかりと自身の持ち味を出していただけに、やや彼らに突き放された感がある。

 もう1人は前田大然の負傷離脱により追加招集された川辺駿だ。カナダ代表戦で途中出場を果たしたが、決定機を仕留めきれず、ボールを持った際には判断に迷いが生じてロストも散見。終盤の失点は同選手のミスから生まれたものだった。

 川辺は特徴的に4-2-3-1ならトップ下、4-1-4-1ならインサイドハーフが適正といったところだが、前者は鎌田や久保、南野とライバルが強力。後者も守田英正、鎌田、日本代表で好調な田中碧、万能な旗手怜央がおり、層が薄いとは言えない。生き残るにはかなりのハイパフォーマンスが求められるが、カナダ代表戦のそれを見る限りかなり厳しいと言わざるを得ない。

 3人目に挙げるのは浦和レッズに所属する伊藤敦樹だ。10月シリーズはカナダ代表戦で途中出場を果たしたが、残念ながら全くと言っていいほど存在感がなかった。

 185cmの大型MF伊藤敦の良さは強靭なフィジカルを活かした縦への推進力だ。しかし、カナダ代表戦で遠藤と交代しピッチに立った浦和MFが求められたのは中盤でバランスを取ること。得意でもなく、慣れているわけでもないタスクを任されたことで、やや困惑していた印象があった。

 また、伊藤敦の最大の課題に挙げられるのがビルドアップへの関与だ。先述の通り縦への推進力、ボックス内へのダイナミックな飛び込みは目を見張るものがあるが、ボールを引き出す動き、攻撃のスイッチを入れるプレーに強みがなく、展開によっては消える時間帯も多い。カナダ代表戦だけでなく、ゴールを決めた先月のトルコ代表戦でもその弱点を露呈していた。タイプ的には田中に似ているが、それならば結果を残している田中の方が良いという結論に落ち着く。

 遠藤、守田、鎌田…。彼らと比較するのは恐縮だが、代表クラスのMFともなれば先の3人のようにマルチタスクをこなせなければ厳しいものがある。守備に絶対的な自信を持つ遠藤とコンビを組んでおらず、彼と共にピッチに立てば伊藤敦の良さが際立つ可能性はあるものの、いずれにせよもう少し他の能力を伸ばしていきたいところだ。

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【了】

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