旗手怜央がカナダ代表戦で見せた可能性

「左ウイング（WG)に関しては、カナダ戦の途中から出た怜央はプレーできる。明日の試合に関しては、旗手をスタートとして考えて準備していきたいと思います」と指揮官は前日会見で明言したのである。

「カナダ戦で、怜央が左のワイドなポジションを取って幅を生かすところ、ライン間に入ってプレーするところを攻撃・守備の両方で関われるというのは、途中出場の中でも見せてくれたと思います。

　彼はセルティックでは左インサイドハーフ（IH）でプレーしていることが多いですが、ライン間を取ってプレーするという部分は我々の左サイドのプレーヤーとしても有効。中に入る、人を動かすという部分で、日常の延長線上で良さを出してもらえると思っています」と森保監督は改めて旗手を投入したことの効果を説明していた。

　確かに、彼は三笘や奥抜のようなドリブラーではないし、前田大然のようなスピードでグイグイとゴール前に侵入していくタイプでもない。ペナルティエリアでの決定力がずば抜けている中村敬斗ともストロングポイントが異なっている。

　インサイドに絞ってゴールへの迫力や推進力を出していけるという点では南野と通じる部分があるかもしれないが、もともとFWの南野よりは下がり目でプレーするのが得意。守備面でもハードワークができるし、中でも外でもいいポジショニングを取りながら攻守両面に絡める戦術眼もある。

　多種多彩なプレーが期待できるという点で、今のチームにとってはベストチョイスなのかもしれない。