3人のみが知る優勝への道
「今日は攻撃的にいかなければいけない試合だった。得点こそPKによるものだったけど、攻撃的なプレーがそういう結果を生んだと思う。そのなかでタカ(関根)が、豊富な経験を生かして右サイドバックでプレーしたことも好条件を生んだ。その意味で、タカは素晴らしいプレーをしたと思う」
この夜の観客数は2万9504人。そのなかで浦和のゴール裏だけは真っ赤に染まり、ショルツが最初のPKを決めてからは大声援を生み出すボルテージが一気に、そして最後まで最高潮を奏で続けた。
「体中にほとばしる、素晴らしいセンセーションだった。今日初めてレッズの試合を見た方がいたら、もう一生のファンになるでしょう」
ファン・サポーターが作り出す唯一無二の熱狂的な雰囲気にショルツが感謝すれば、荻原はショルツの2発目のPKが決まった瞬間に、自身の胸中にこみ上げきた感情を明かした。
「スタジアム全体が作り出す雰囲気のなかで、ちょっとウルっときました。正直、試合がまったく終わっていないのに、何か高ぶってきたというか。これは来たぞ、と」
ルヴァンカップの決勝へ進出するのは2016年大会以来、7度目となる。そして、ガンバ大阪をPK戦の末に下し、2度目の優勝を果たした7年前のメンバーは西川、興梠、そして関根だけとなった。東京・国立競技場で開催される11月4日の決勝の相手はアビスパ福岡。ファン・サポーターも一体となった総力戦でマリノスを逆転した浦和が、新しい一歩を踏み出すための舞台が整った。
(取材・文:藤江直人)
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