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Jリーグ 1年前

「人生で一番しんどかった」浦和レッズの不安と覚悟と涙。交錯した4人の感情とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

勝負を左右する1シーン

YBCルヴァンカップで決勝に進出した浦和レッズ
【写真:Getty Images】



 MF髙橋利樹のパスに反応し、相手ペナルティーエリア内の左側へ侵入していった荻原が、一度顔を上げて中を確認してから、ややマイナス方向に折り返すパスをワンタッチで放つ。次の瞬間、慌てて荻原のマークにきたマリノスのセンターバック、實藤友紀の左手にボールが当たった。

 しかし、谷本涼主審はそのまま流した。目の前にいた荻原が右手を上げて實藤のハンドを訴えれば、髙橋は血相を変えて谷本主審との距離を詰めた。しかし、状況は変わらない。ボールはマリノスにわたり、荻原が本来いるはずのスペースを突いたマテウスがカウンターを発動させた。

 そして、マテウスが浦和陣内に侵入した直後に試合中断を告げる笛が鳴り響く。介入したVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)と交信していた谷本主審が、さらにOFR(オン・フィールド・レビュー)へ走る。中断されてから約2分後。判定が変わり、浦和にPKが与えられた。

「特に中の(味方の)状況は見ていませんでした。感覚じゃないですけど、こっち的に、という感じで(クロスを)上げたら相手の手にボールが当たったので」

 ペナルティーエリア内での自身のプレーをこう振り返った荻原は、さらにガチャを引いたときなど、ソーシャルゲーム中に飛び出す通常とは異なる演出を指す用語を引用しながらこう続けた。

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